みなさんは、理学療法士協会費についてどうお考えでしょうか?
理学療法士協会への入会は、専門的な情報の提供やネットワークの構築、さらには研修会への参加資格など、多くのメリットをもたらします。しかし、長期的な視点では、その協会費が「安価」とは言い難いのも事実です。
また、周囲の影響で入会を決めたものの、実際に価値を感じられないまま会費を払い続けているケースも珍しくありません。
一方で、現在の経済状況を踏まえ、物価高や老後資金への不安が増す中、資産運用への注目が高まっています。新NISAなどの制度も含め、資産運用に関心を寄せる方が増えている状況です。では、協会費相当額を資産運用に回した場合、具体的な経済的効果はどうなるのでしょうか?
本記事では、理学療法士協会への入会を続ける場合と、入会せずにその費用を資産運用に充てた場合のシミュレーションを行い、それぞれのメリットとデメリットを比較してみます。
理学療法士協会費の概要
理学療法士協会の年会費は、全国平均で20,000円とされています。この金額は、協会の運営費や会員特典の提供に充てられています。
今回のシミュレーションでは、以下の費用の内訳を基準に計算します。
- 日本理学療法士協会:10,000円/年
- 各都道府県理学療法士協会:10,000円/年
仮に4年制の養成校を卒業後、定年60歳のまでの約38年間協会に加入し続けた場合、総額は760,000円となります。
これは、生涯年収の一部が協会費として支出される形となります。
資産運用のシミュレーション
次に、毎年20,000円を資産運用に回した場合、どのような利益が得られるのかを計算します。以下は、年利5%、4%、3%、2%での複利計算結果です。
利回り(年率) | 最終金額(38年間後) |
---|---|
5% | 約 2,031,745円 |
4% | 約 1,758,258円 |
3% | 約 1,525,769円 |
2% | 約 1,329,800円 |
これらの結果から、資産運用による利益は、協会費の総額(760,000円)を大きく上回る可能性があることが分かります。
さらに、協会費を払い続けた場合と資産運用に回した場合の生涯収入の差は以下の通りです。
- 協会費を払い続けた人:生涯収入-760,000円
- 資産運用に回した人:生涯収入+569,800円 ~ 1,271,745円
利回りの計算は終価係数(Future Value Factor)を用いて行っています。
計算式
複利計算式:FV = P × ((1 + r)ⁿ – 1) / r
計算条件
- FV: 将来価値(最終金額)
- P: 毎年の投資額(20,000円)
- r: 利回り(5%、4%、3%、2%)
- n: 投資年数(38年間)毎年の投資額:20,000円
以上、計算式に当てはめて計算すると以下のようになります。
- 5%:20,000×((1+0.05)^38-1)/0.05
- 4%:20,000×((1+0.04)^38-1)/0.04
- 3%:20,000×((1+0.03)^38-1)/0.03
- 2%:20,000×((1+0.02)^38-1)/0.02
入会・資産運用のメリットとデメリット
協会費を払い続ける場合
- メリット:
- 専門的な情報やネットワークの提供。
- 研修会や学会への参加資格。
- 賠償責任保険や優待制度の利用。
- デメリット:
- 長期的な経済的負担。
- 非会員でも得られる情報が増加している。
資産運用の場合
- メリット:
- 経済的な利益を最大化する可能性。
- 自由な資金運用。
- デメリット:
- 投資リスク(市場変動や元本割れの可能性)。
- 専門的な情報やネットワークの欠如。
結論
理学療法士協会への入会は、経済的な視点だけでなく、専門的な成長やキャリア形成の観点からも検討する必要があります。
資産運用による利益は魅力的ですが、協会が提供する価値をどのように評価するかが重要です。
最終的な選択は、個々の価値観やキャリア目標に基づいて行うべきでしょう。
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