シフトの希望を考慮しつつ、出勤メンバーのバランスがとれた勤務表を作成するのって大変ですよね。
勤務表を作成する管理職は、それだけに時間をかけるわけにはいきませんし、スタッフ数が多くなるほどシフトの調整は大変になります。しかし、シフトの希望を考慮した勤務表作成は働きやすい職場の土台であり、仕事へのモチベーションの糧となるため、できるだけ実現したいと考える管理職は多いはずです。
私の所属する回復期病棟も、スタッフ数が多く土日祝日も稼働しているため、休日の希望と出勤メンバーのバランスを考えるのが非常に大変でしたが、ある方法で勤務表を作成することにより勤務表作成にかかる時間を大幅に削減することができました。
そこで今回は、勤務表作成におけるシフト調整の負担を軽減するための方法について紹介していきたいと思います。
従来の勤務表作成過程と問題
シフト調整を効率化するエクセルツールを使用する前はさまざまな問題点があり、勤務表完成までに多くの時間を要していました。
まずは、従来の勤務表作成過程と問題点を紹介しますので、みなさんの職場でも同じような状態になっていないか確認してみてください。
エクセルで勤務表を作成したまではよかったのですが、この勤務表では作成する人の心身が疲弊してしまいます。また、シフトの希望を手書きで記入した勤務表を見比べながら、エクセルの勤務表へ転記するため誤りが生じやすい状態でした。
では、これらの問題点をどのように解決したのか、その解決策である「エクセルで新たに作成した勤務表」について紹介していきます。
勤務表の概要
はじめに、エクセルで新たに作成した勤務表の概要を紹介していきます。
この勤務表には各スタッフの「公休」「年休」「出勤」希望を入力する欄があり、以前のようにシフトの希望を手書きした紙面を確認しながら作成する必要はありません。
また、この勤務表は「回復期病棟」で使用しているため、土日祝日の休日が特定のスタッフに偏らないように「曜日別休日数の集計欄」を設定しています。土日祝日の休日の偏りは、スタッフ間の不満と協力体制の崩壊につながる大きな問題となるため、回復期病棟の勤務表作成においては必須項目になります。
勤務表の機能
それでは、この勤務表に設定した機能を具体的に見ていきましょう。
万年カレンダー機能
「年」「月」を入力することで、「日付・曜日」と「文字色・背景色」を自動的に変更する機能です。これにより、カレンダー部分の修正が月数の入力のみで完結します。
各項目の自動計算(歴日数/出勤人数/シフト形態)
各項目の計算を自動で行います。
- 当月の歴日数・出勤日数
- 出勤人数(チーム別/職種別/全体)の自動計算
- シフト形態(出勤数/公休数/土日祝日の休日数/年休数/出張)の自動計算
シフト希望日の自動色別(公休/年休/出勤)
各シフト希望を勤務表へ自動で色別する機能です。色別される色は公休・年休・出勤ごとに異なり、どのシフト希望なのかを瞬時に判断することができます。
シフトをリスト化
勤務表のシフト入力はプルダウンリストによる選択式となっています。
勤務希望を参照して自動的に入力することも可能ですが、出勤メンバーに管理職がいないなど総合的なバランスを考慮する必要があるため、プルダウンリストからの選択式を採用しています。
勤務表を使用した結果
それでは実際にこの勤務表を使用することで、従来の勤務表作成における問題点がどのように解決されたのか確認していきましょう。
- シフトの希望を記載する白紙の勤務表を印刷
- コスト・印刷の手間がかかる。
「シフト希望入力欄」を設定しエクセルに直接入力としたため、印刷にかかるコスト・手間がなくなった。
- 白紙の勤務表に各スタッフが鉛筆でシフトの希望を記入
- 手書きのため見づらい。
- 勤務表(白紙)があるところまで行かないと記入できない。
シフトの希望をエクセルに直接入力としたため、手書きの必要がなくなった。
また、院内すべてのPCからアクセスが可能となり、どこでも入力が可能となった。
- シフトの希望を記入した勤務表を見ながらエクセルの勤務表へ入力
- 間違いが生じる可能性。
- 勤務表作成者の負担大。
シフトの希望が勤務表に組み込まれているため、転記する必要がなくなった。
- エクセルの勤務表が数字だらけ(日勤:1、半日:0.5、休日:0)
- 見にくく、わかりづらい。
- 勤務表作成の負担大。
- 完成した勤務表の手直し頻度が高い。
勤務表のレイアウトを変更、休日や出勤を「文字や空白でカウント」に変更したため、勤務表作成者の負担が軽減した。
まとめ
今回は、勤務表の作成を効率化する方法として「シフト希望を連携させたエクセルでつくった勤務表」を紹介しました。
勤務表の作成方法は職場によってさまざまですが、シフト希望を考慮した勤務表の作成を効率化することで、働きやすい職場の土台をつくることができるでしょう。
それを実現するためには、従来から行っている業務やその実施方法を”あたりまえ”とせず、効率化するための視点・思考をもつことが大切になります。
この記事が、あなたの業務効率化の一助になれば幸いです。
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