毎日リハビリを頑張っている患者さん、それを支えるご家族の皆さん、ほんとうにお疲れ様です。
定期的にお渡ししている「リハビリテーション総合実施計画書」は御覧頂いていますでしょうか?
こちらの書類はリハビリを実施するための計画書であり、患者さんの回復状態を示すものでもあります。とても大切な書類でありながら、非常に見にくく分かりにくい仕様であり、患者さんやご家族に説明・交付する度に、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
そこで今回、こちらの方で「リハビリテーション総合実施計画書の読み方と重要ポイント”FIM”について」まとめましたので、参考にしていただければと思います。
リハビリテーション総合実施計画書の概要
はじめに、リハビリテーション総合実施計画書にはどんな内容が記載されているのか、その概要を確認して頂ければと思います。
下の画像がリハビリテーション総合実施計画書の1枚目(赤枠)・2枚目(青枠)の概要となっております。
リハビリテーション総合実施計画書の読み方
次に、リハビリテーション総合実施計画書で情報量が多く読みにくい1枚目(前項の赤枠)について、フローチャートを作成しましたのでご参照頂ければと思います。
このフローチャートは”退院先で生活を送る”ため、現在の「日常生活動作」と「リハビリの目標・リハビリの内容」がどのようになっているのかを理解しやすくする事を主体として作成しました。そのため、一部の項目がフローチャートから除外されていますが、除外されている栄養状態なども大切な情報です。
フローチャートに沿って確認した後に、栄養状態などの項目を確認して頂ければと思います。
リハビリテーション総合実施計画書の重要ポイント”FIM”について
次に、リハビリテーション総合実施計画書で重要な”FIM”について解説します。
前項フローチャートの「【重要】各日常生活動作は、このくらいできます。」で示された部分がFIMになります。
FIMは日常生活動作を運動項目・認知項目に大別し、各小項目ごとに「どれだけ手助けを借りることなく行えるか」を「1~7点」で示したものになります。
- 7点:一人でできる。
- 6点:何かしらの不便はあるが、一人でできる。
- 5点:だいたい一人でできるが、安全のため見守りや準備が必要。
- 4点:「少し」の手助けが必要。
- 3点:「中くらい」の手助けが必要。
- 2点:「多く」の手助けが必要。
- 1点:「全て」手助けが必要。
上記の「点数と解釈」を確認したところで、生活に直結する運動項目の各小項目で「何をみているか?」をまとめましたので、参考にして頂ければと思います。
なお、患者さんの詳細状況で気になる項目があれば、リハビリの担当者へお声がけください。
FIMの点数から自宅での生活をイメージする時のポイント
リハビリをしていると、退院先を悩まれる方の中で「トイレが一人でできるようになれば、自宅退院も可能」というケースが多く感じられます。
「トイレが一人でできる」の解釈はいろいろあると思いますが、多くの場合「①一人で歩いて ②一人でトイレを済ませ ③失敗せずに(失敗しても一人で対処可能) ④一人で手洗いする」ことをイメージするのではないでしょうか?
これをFIMで見てみると「トイレが一人でできる」ためには、
- 【移動】歩 行:6点 or 7点
- 【移乗】トイレ:6点 or 7点
- 【排泄】排尿・排便コントロール:6点 or 7点
- 【セルフケア】整容:手洗いが一人でできる
が必要となってきます。
もちろん、これらすべてが網羅されていない場合でも、ポータブルトイレの使用などで「トイレが一人でできる」ことを達成することも可能です。
上記の例から、本人・ご家族の方にもFIMを「退院先の検討材料」「退院先での生活スタイルのイメージ」の一助として活用して頂くことで、よりよいリハビリ・退院支援を行っていくことができます。
おわりに
最後までご確認頂きありがとうございました。あわせて、長文・乱文となってしまい申し訳ありません。
何かご不明な点がありましたら、担当のリハビリスタッフまでお声がけください。
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