
ついに行ってきました「フェリー旅行!」

おっ、ついに行ってきたんだぁ。前から行ってみたいって言ってたよね?
でも、初めてのフェリーは分からないことが多かったんじゃない?

そうなんだよね。だから、これまで行けずにいたんだよね。
なので、今回のフェリー旅行前に
- 障害者手帳の割引
- フェリーの種類、予約方法、乗り方
- フェリーターミナルまでの移動手段
など、しっかりと調べ上げたんだ。

じゃぁ、フェリーについて詳しくなったんじゃない?

そうだね!
でも障害者手帳の割引には、いくつかルールがあって少し複雑なんだよ。

なるほどね。
フェリーをお得に利用しようと思ったら、その条件はしっかりと押さえておく必要がありそうね!

だから今回は「フェリーの割引制度と予約のコツ」について、まとめていこうと思うんだ。

それはいいわね。
これからフェリー旅行をお得に楽しみたい人に向けて、わかりやすくまとめていきましょう!
はじめに

今回のフェリー旅行は、宿泊なし、観光なし、目的はただひとつ“フェリーに乗ること”。そんな贅沢な「0泊3日」のフェリー旅行を、障害者手帳の割引を活用して実現しました。
実はこの贅沢なフェリー旅行、短期間で2回も実行しています。「仙台〜苫小牧」と「仙台〜名古屋」どちらも最高の船旅を満喫することができました。(旅の記録はこちら)
フェリー旅行は、大海原の眺望と解放感といった非日常を味わうだけでなく、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
また、毎日スマホやPCといったデジタル機器に囲まれている私には”デジタルデトックス”にもなり、心身ともに良い時間を過ごす事ができました。
さらに、フェリーによってはレストランの他、シアターでの映画鑑賞やピアノ演奏などのイベントもあります。
このような素敵な時間をお得に体験できるのは、障害による苦労を乗り越えているご褒美だと思います。

障害者手帳の割引制度は、外出や旅行のきっかけになる力を持っています。
制度を知ることで、みなさんの“行ってみたい”が“行ける”に変わるかもしれません。
みなさんも、素敵なフェリー旅行に出かけてみてはいかがでしょうか?
太平洋フェリーの料金について
太平洋フェリーでは、「いしかり」「きそ」「きたかみ」の3隻のフェリーを運航しています。
フェリーの料金は以下の3つの要素で決まります。
・目的地(航路)
・乗船する期間(A〜D期間)
・利用する客室の種類
【目的地】による料金の違い
目的地は「名古屋~苫小牧」「仙台~苫小牧」「仙台~名古屋」の3航路があります。
「いしかり」「きそ」は全航路を運航していますが、「きたかみ」は仙台~苫小牧のみの運航となっています。

同じフェリーの同じ客室に乗船した時、仙台~名古屋より仙台~苫小牧の方が料金が割高なんだよね。
距離を考えたら、「仙台~苫小牧」より「仙台~名古屋」の方が遠いから、名古屋の方が料金が高いのかと思っていたけど・・・需給の問題?
【乗船時期】による料金の違い
太平洋フェリーの料金は「A期間」「B期間」「C期間」「D期間」の4つの期間に区分され、A<B<C<Dの順に料金が高くなっています。
ゴールデンウィークやお盆、年末年始など、繁忙期は料金が割増になっています。
【利用客室】による料金の違い
客室は「いしかり」「きそ」と「きたかみ」で名称と料金に違いがあります。
「いしかり」「きそ」のS寝台にあたる「きたかみ」のエコノミーシングルは、料金が割高となっています。

「きたかみ」のエコノミーシングルは、S寝台より広く”鍵をかけられる半個室”となっているため、設備を考えると料金が割高なのは納得です。
下の表は「仙台~苫小牧」の片道分の料金となります。
いしかり | 片道料金 (A期間) | きそ | 片道料金 (A期間) | きたかみ | 片道料金 (A期間) |
ロイヤルスイート (洋室) 定員:2~3名 | 54,600円 | ロイヤルスイート (洋室) 定員:2~3名 | 54,600円 | – | – |
スイート (洋室) 定員:2~3名 | 38,900円 | スイート (洋室) 定員:2~3名 | 38,900円 | – | – |
セミスイート (洋室) 定員:2~3名 | 35,200円 | セミスイート (洋室) 定員:2~3名 | 35,200円 | – | – |
特等 (和室) 定員:2~3名 | 24,200円 | 特等 (和室) 定員:2~3名 | 24,200円 | 特等 (和室) 定員:3~4名 | 24,200円 |
特等 (和室) 定員:3~4名 | 24,200円 | – | – | – | – |
特等 (洋室) 定員:2~3名 | 24,200円 | 特等 (洋室) 定員:2~3名 | 24,200円 | 特等 (洋室) 定員:2~3名 | 24,200円 |
1等 (和・洋室) 定員:3~4名 | 18,800円 | 1等 (和・洋室) 定員:3名 | 18,800円 | 1等ウィズペット (ペット専用) 定員:2~3名 | 18,800円 +利用料 |
1等 (和室) 定員:3~4名 | 18,800円 | 1等 (和室) 定員:3~4名 | 18,800円 | 1等 (洋室) バリアフリー対応 | 18,800円 |
1等 (洋室) バリアフリー対応 | 18,800円 | 1等 (洋室) バリアフリー対応 | 18,800円 | 1等フォース (洋室) 定員:3~4名 | 18,800円 |
1等 (洋室) 定員:2名 | 16,000円 | 1等 (洋室) 定員:2名 | 16,000円 | 1等クロスツイン (洋室) 定員:1~2名 | 17,300円 |
S寝台 (洋室) バリアフリー対応 | 13,700円 | S寝台 (洋室) バリアフリー対応 | 13,700円 | エコノミーシングル (洋室) バリアフリー対応 | 14,300円 |
S寝台 (洋室) | 13,700円 | S寝台 (洋室) | 13,700円 | エコノミーシングル (洋室) | 14,300円 |
B寝台 (洋室) | 11,900円 | B寝台 (洋室) | 11,900円 | B寝台 (洋室) | 11,900円 |
2等 (和室) | 9,500円 | 2等 (和室) | 9,500円 | C寝台 (洋室) | 9,500円 |
(運賃について、もっと具体的に知りたい方は公式サイト【運賃】)

このように、太平洋フェリーの料金はさまざまな要素で変動します。
次は、障害者手帳の割引について詳しく紹介していきます。
障害者手帳の割引制度
それでは、本題の「障害者手帳の割引」について解説していきます。
太平洋フェリーには、以下のような一般向け割引があります。
・早得(早割)
・インターネット割引
・学生割引
・JAF会員割引
これらの割引率はおおむね5%〜10%程度で、”期間”によっては対象外となる場合もあります。
一方で、障害者手帳の割引は”期間”に左右されず常時50%OFFでフェリーを利用することができます。この割引は、早割のような事前予約の制約もなく、安定した割引制度となっています。
さらに、対象者は身体障害者だけでなく、「知的障害者」「精神障害者」「被救護者」も含まれており、幅広い方々が利用可能です。
ただし、障害者割引の利用にはいくつかの重要なルールや条件があります。

予約時期を問わず50%OFFは、ほんとに嬉しいですよね。
この優良な割引の恩恵を受けるために、次項で「重要なルール・条件」について確認していきましょう!
障害者割引の重要なルール・条件
障害者割引を正しく使うためには、いくつかの重要なルールがあります。
事前に知っておくことで、割引が適用されないトラブルを防ぎ、安心してフェリー旅を楽しむことができます。
障害者手帳の割引ルールには、以下のようなものがあります。
- 割引対象者
- 本人+介助者1名まで
- 割引対象の客室
- 本人のみ乗船:割引可能な客室に制限(S寝台以下)あり
- 「いしかり・きそ」:S寝台、B寝台、2等和室
- 「きたかみ」:エコノミーシングル、B寝台、C寝台
- 本人+介助者:全ての客室が割引の対象
- 本人のみ乗船:割引可能な客室に制限(S寝台以下)あり
- 手続き・提示方法
- 障害者手帳もしくはミライロIDの提示が必要
- 乗船前にフェリーターミナルの受付での提示が必須(※スマート乗船は利用不可)
- 割引の併用不可
- 早割やインターネット割引などとの重複適応は不可
- 割引制度についての詳細は公式サイト【各種割引のご案内】
(※ スマート乗船:出港の約3時間前に、”モバイルQR搭乗券”のURLを記載したメールが届き、受付を介さず乗船できる。)

「本人のみ乗船」と「本人+介助者」で、割引対象の客室が変わるのは重要なポイントね!
予約前に確認しておかないと、希望の部屋が割引にならないこともあるから注意が必要だね。
それと、乗船する時には受付で手帳の提示が必須だから、”障害者手帳”か”ミライロID”の準備を忘れずに!
予約方法と注意点
最後に、障害者手帳の割引を利用した予約方法と注意点について解説していきます。
障害者手帳の割引を利用してフェリーに乗るには、予約方法と手続きの流れを正しく理解しておくことが大切です。
ここでは、予約方法による違いや、それぞれの注意点を実体験をもとに解説します。
太平洋フェリーの予約方法は以下の2つになります。
・電話予約
・インターネット予約
※ バリアフリー対応の客室やB寝台(2段ベッド)の下段を希望する場合は、予約方法を問わず予約センターへ電話しましょう。
電話予約の流れと注意点
- 予約センターへ電話:050-3535-1163(9:00-17:00 日曜定休)
- 乗船日、搭乗人数、利用客室、障害者手帳の所持を伝えます。
- 予約が完了すると”予約番号”を伝えられるので、忘れないようにメモしましょう。
- 乗船当日にフェリーターミナルで「乗船名簿」を記入
- 仙台港と名古屋港は太平洋フェリーのみ運航していますが、苫小牧港では「さんふらわあ」という「大洗~苫小牧」を運航しているフェリーがあるため、記入用紙を間違わないように注意!
- 「乗船名簿」と「障害者手帳」をもってフェリーターミナルの窓口へ
- 窓口へ”予約番号”を伝え、「乗船名簿」の提出と「障害者手帳」を提示し、料金を支払うと、乗船に必要なQRコードの付き乗船券を発行してもらえます。

支払いは公式サイト【かんたん予約照会】から事前に行うことができるよ。
「乗船名簿」もネットから入力できるけど、どちらも事前に登録が必要だから注意しよう!
インターネット予約の流れと注意点
インターネットでの予約は24時間可能ですが、乗船日の2ヶ月から当日の13時までとなっています。また、「仙台発 名古屋行き」は当日9時までの受付となります。
(当日のインターネット予約が終了しても、空室があれば電話での予約は可能です。)
1.公式サイトへアクセス
2.「空席照会&運賃シュミレーション」をクリック

3.乗船する「年月」を選択し「表示」をクリック

4.乗船日の目的地に該当する図形(「△」しか見たことがない)をクリック

5.利用する客室を選択
(今回は例として「エコノミーシングル」を選択しています。)

6.予約情報を入力(「障がい者入力欄」が閉じられているので注意!)

割引/プラン「—–」では「確認」をクリックしてもエラーになっていますので、が「インターネット割引」にしておきます。

7.内容を確認し「予約する」をクリックすると予約が完了します。

上図のとおり、割引きは最安値のものが自動で適応されるため、障害者手帳の割引(通常料金の50%OFF)が適応されています。
予約が完了したら「乗船名簿の登録」と「支払い方法を選択」し、支払いを完了しましょう。

インターネット予約は便利だけど、ITに不慣れな方や障害の内容によっては使いづらいこともあるかもね。

そうだね。
実際に両方試してみたけど、初めての人には電話予約の方がわかりやすくておすすめかな。
まとめ

障害者手帳を活用したフェリー旅行は、割引率の高さだけでなく、予約の柔軟さや対象範囲の広さから、非常に実用的な制度です。
本記事では、割引制度の内容や条件、予約方法までを詳しく紹介しました。事前にルールや客室の条件を理解しておけば、安心してお得な船旅を楽しむことができます。
また、障害者手帳の割引制度は単なる「割引」ではなく、“外出してみよう”という気持ちを後押ししてくれる制度でもあります。

制度を知っておくだけで、外出や旅行のハードルがグッと下がるわね。
“行ってみたい”が“行ける”に変わるって、ほんとに素敵だと思う!

そうだね。
次は「きそ」と「きたかみ」の船内を紹介する予定だから、気になる方はぜひそちらも読んでみてね!
私たちは理学療法士としての立場からも、障害を乗り越えて生活している方々の外出・旅行のきっかけとなり、楽しい時間を過ごせることを願っています。
この記事が、あなたの新しい一歩につながれば嬉しいです。
コメント