【業務効率化からマネジメントまで】自作リハビリ支援・管理ツールを紹介

セラピストの部屋
  • 一般職 「業務をもっと効率化してほしい。」
  • 管理職 「効率化したいけど方法が思いつかない。」
  • 病院・施設 「システムを導入したいけどコストが高くて難しい。」

そんな悩みを持っている人や企業は多いのではないでしょうか?また、電子カルテやリハビリ支援・管理システムを導入していても、維持コストの問題や現場のニーズに対応しきれていないのが現状です。

そこで今回は、3者の悩みを解決するエクセルで作成した「リハビリ支援・管理ツール」を紹介します。

エクセルは、システムの導入・維持に比べてコストパフォーマンスが良く、現場が必要とする機能を容易に追加できるのが最大のメリットです。従業員数が多い総合病院をはじめ、訪問看護・訪問リハビリなど小規模の企業でも応用できるツールになっています。

リハビリ支援・管理ツールの機能

万年カレンダーで日付を自動更新

トップページ
トップページ

こちらがトップページとなり、日付をクリックすると”当日の担当患者一覧”のページを開き、各項目をクリックするとそれぞれに対応したページを表示します。トップページのカレンダーは”万年カレンダー”を採用しており、年・月の数字を入力することで自動的に更新されるようになっています。

入退院患者の管理

入退院患者の管理l画面(患者マスタ)
入退院患者の管理画面(患者マスタ)

こちらが入退院患者の管理画面(患者マスタ)になります。「転入日」「患者の名前」「転入前の病棟・病院」「退院日」は直接入力、「担当チーム」「担当セラピスト」「担当時間(AM/PM)」はリストから選択できるように設定しています。ここで入力された患者情報が他のページに反映されるようになっています。また、退院日を過ぎた患者情報(灰色)や職種別の色別(PT:オレンジ、OT:青色)は自動で変更されるように設定しています。

担当患者の管理

担当患者の管理画面(担当患者一覧)
担当患者の管理画面(担当患者一覧)

こちらが担当患者一覧の管理画面になります。前項の入退院患者の管理画面(患者マスタ)で入力した情報が自動的に反映されるように設定しています。主に各セラピストの担当状況を確認する際に使用し、担当人数・時間(AM/PM)に偏りがないか一目で分かるようになっています。また退院日を過ぎた患者は自動で色別するように設定しており、入退院患者の管理画面(患者マスタ)からデータを削除することで、こちらの情報も自動的に消去されるようになっています。

勤務表の管理

勤務表の管理画面
勤務表の管理画面

こちらが勤務表の管理画面になります。このカレンダーはトップページのカレンダーと連動しており、トップページの年月を変更することで自動で変更されるようになっています。各セラピストのシフトを入力する事で、後項の”当日の担当患者数の管理”画面へ自動的に反映されるように設定しています。シフトの入力はリストから直接選択・入力も可能ですが、全員分を入力するのは効率的ではないため、別途”勤務表作成ツール”を作成しコピー&ペイストして使用できるようにしています。

当日の担当患者数の管理(業務量を見える化)

当日の担当患者数の管理画面
当日の担当患者数の管理画面

こちらが日々の業務量を見える化した当日の担当患者数の管理画面になります。入退院患者や担当患者数・申し送りの人数計算は自動で反映されるようになっています。この画面では以下の情報を一括して確認することができます。

  • 当日の入退院患者情報
  • 当日の勤務形態
  • 休日者の申し送り先一覧
  • 各セラピストの総担当患者数
  • カンファレンス等その他業務(フリーコメント欄へ直接入力)

レイアウト(下図参照)は上段と下段で各チーム別・左右で職種別となっていますが、シフト上チームまたは職種で休日者の偏りが生じる場合があるため、チーム・職種に関わらず使用できるように設定しています。

レイアウトの解説
レイアウト

使用方法(下図参照)は、緑色の部分がリストから選択・直接入力可能となっており、主に休日者が自分の担当している患者と申し送り先を事前に入力します。他業務の都合等によりAM/PMを相方のセラピストと時間変更する際は右側の表で調整できるようになっています。

使用方法の解説
使用方法

ツールの管理

ツールの管理画面
ツールの管理画面

こちらがツールの管理画面(名簿マスタ)になります。ここでは新入職員・異動に伴うセラピストの情報更新や、勤務表・当日の担当患者数の管理ページのリセットを行います。ツール内で職員が入力する以外の部分については修正できないようにロックをかけているため、情報更新・リセット時に”一括保護/解除”を行えるよう各ボタンにプログラムを設定しています。(このプログラム設定には”BVA(Excelのプログラミング言語)”でのプログラム構築、もしくは”マクロの記録”を使用する必要があるため、求められるスキルが少し高めになります。)

ツール管理画面の解説
ツール管理画面の解説

その他機能

その他の追加機能として、”お知らせ”と”回覧原本”を追加しています。

”お知らせ”は全体への周知事項などを自由に入力することができ、掲示板としての役割を担っています。

お知らせ
お知らせ

”回覧原本”は回覧物などを誰が見たかチェックするために印刷して使用するためのものです。新入職員や異動者の情報更新に合わせて自動的に反映されるようになっています。A4紙1枚で8回分の回覧チェック表が印刷されます。

回覧原本
回覧原本

まとめ

今回は、私がエクセルで作成した「リハビリ支援・管理ツール」を紹介しました。このツールは現在も職場で使用されていますが、実にたくさんのメリットを実感しています。

  • 業務量をフラットに、協力しあえる体制づくり!
  • 申し送りに要するを時間短縮!
  • 急な休みへの対応をスムーズに!
  • 申し送りの漏れを防止!
  • 休日時の事前準備がいつでも可能に!
  • 院内のパソコンならどこからでもアクセス可能!(院内ネットワーク環境が必要)

私達セラピストは、改悪される診療報酬に振り回されながら「20分1単位」という時間的制約がある中で収益を上げなければなりません。その中で業務効率化による「時間の確保」は、心のゆとりをつくり、仕事のモチベーション・患者サービスの向上、企業の経営基盤の安定を図るための必須事項といえます。

今回の記事で、エクセルでできる業務効率化の新たな発見になれば幸いです。

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