【あなたの筋力が低下している!?】筋力のセルフチェックをやってみよう!

患者さんの部屋

みなさんは、自分の体が衰えてきているのではないかと心配になったことはありませんか?

日本は平均寿命1)(男性:82歳、女性:88歳)、健康寿命2)(男性:72.6歳、女性:75.5歳)ともに世界第一位であり、長く元気であり続けたいと健康に気をつける人が多くなっています。しかしその一方で、筋肉量が減少して筋力・身体機能の低下をきたす「サルコペニア」が超高齢化社会に突入する日本で問題となっています。

そんな中、「自分は運動らしい運動もしていないし大丈夫かしら・・・」と不安な気持ちをもつ方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、自宅でできる「筋力のセルフチェック」を紹介していきたいと思います。

1)平均寿命:2022年版、UNFPA(国連人口基金)の発表。

2)健康寿命:2022年版、WHOの発表。自立した生活ができる期間。本統計はWHO加盟国194の国と地域を対象。

筋力のセルフチェック

指輪っかテスト

この「指輪っかテスト」は”ふくらはぎの筋肉の太さ”をチェックして、筋力低下の危険度を測るテストです。

実施方法
  1. イスに座って、両足を床につけます。
  2. 利き足でない方の「ふくらはぎの一番太いところ」を、両手の親指と人差し指で囲みます。利き足がわからない人は両足で行いましょう。
結果判定 (筋力低下の危険度)
  • 指どうしがつかない:危険度(小)
  •  ちょうど囲める :危険度(中) ※ 危険度(小)の2.4倍
  • 隙間ができてしまう:危険度(大) ※ 危険度(小)の6.6倍

日常生活のチェック項目

次に、日常生活上で筋力低下の可能性を示唆する項目をチェックしてみましょう。

  1. 1年間で4~5kg以上体重が減少した。
  2. 全身が疲れやすいと感じる。
  3. 手足が細くなった。
  4. ペットボトルのフタが開けづらくなった。
  5. 重い荷物が持ちにくくなった
  6. 椅子から立ち上がりにくい
  7. 日常生活でつまずくことが増えた
  8. 歩くのが遅くなった(横断歩道を青信号で渡りきれなくなった)。
  9. 手すりにつかまらないと階段を上がれない。

特に1番・2番に該当する方は、かかりつけ医などに相談することをおすすめします。

開眼片脚立位テスト

以下のテストを実施するときは、安全配慮を十分行った上で実施してください。

実施方法
  1. 素足で滑りにくい床に立つ。
  2. 両手を腰に当て、立ちやすい方の足で立つ。片足を床から5cmほど上げて立っていられる時間を測定。
結果判定
  • 「いずれか片脚でも8秒未満」となった場合に、筋肉の機能が低下している可能性が高い。

5回立ち座りテスト

以下のテストを実施するときは、安全配慮を十分行った上で実施してください。

実施方法
  1. 肘かけのない椅子に座り、両手を交差して胸に当て、足は肩幅程度に開く。
  2. 椅子に座った状態から、立ち座り動作を5回繰り返して、立ち上がるのに要した時間を測定。
結果判定
  • 「10秒以上」となった場合に、筋肉の機能が低下している可能性が高い。

まとめ

いかがでしたか?

筋肉量の減少は25~30歳頃から始まり年齢とともに低下していきますが、生活・運動習慣によりその程度は大きく変わってきます。また、年齢を重ねても日々の運動により筋力を向上させることは可能です。

日々の生活に運動を取り入れ、加齢を華麗に健康寿命を延ばしていきましょう。

Presented by うしむね

コラム:体力とは?

筋力に類似するパロメータに「体力」があります。

筋力は体力の構成要素の一つであり、体力には大きく分けて、行動体力と防衛体力の2つに分類されます。

行動体力

筋力・持久力・柔軟性など行動の基礎となる身体的な能力のことをいいます。

行動体力はさらに以下の3つの能力に分類されます。

  • 行動を起こす能力:筋力、垂直跳び、立ち幅跳びなどの瞬発力
  • 行動を持続する能力:筋持久力、全身持久力(呼吸、血液循環などによる酸素を運ぶ能力も関与)
  • 行動を調節する能力:俊敏性・平衡性・巧緻性・柔軟性など、運動の目的に合わせて身体の動きを調節する能力(反復横跳び、目を閉じての片脚立ち、ジグザグ走り、不伏臥上体反らし が該当)
防衛体力

病気やストレスに対する免疫力や抵抗力、環境に適応する能力のことをいいます。

体力の構成要素

e-ヘルスネット(厚生労働省)

健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)健康長寿ネット

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