【漂白剤でウィルス感染対策】医療現場で使用している次亜塩素酸ナトリウム液の作り方と注意点

患者さんの部屋

 

 新型コロナウィルスの世界的大流行(パンデミック)が起こり、日常生活でもマスクをはじめ感染対策を意識する人が多くなりました。

 これを受けて、衛生用品を取り扱う企業がさまざまな優良商品を販売しておりますが、品切れや価格の問題から対策をしたいけどできない!という方もいるのではないでしょうか?

 そこで今回は、医療現場での感染対策でも使用している漂白剤でつくる「次亜塩素酸ナトリウム液」の作り方を紹介します。

次亜塩素酸ナトリウム液の取り扱い時の注意点

 まずは、なんといっても安全の確保です。ウィルス対策をしてもその影響で体を壊しては本末転倒です!

 次亜塩素酸ナトリウムの作成および使用時は以下の点に注意してください。

  • ゴーグル、手袋、防具服(長袖の衣類やエプロン)を使用しましょう。
  • 換気のよい環境で行いましょう。(密室ではダメ!ぜったい!)
  • 酸性物質(酢など)と混ぜると有毒ガス(塩素ガス)が発生するため、絶対に混ぜないようにしましょう。
  • 次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させる可能性や色落ち・変色を起こす可能性があるため、使用箇所には注意してください。(ステンレススチールを除く金属、カーペットやカーテン・衣類などへの使用は避けた方が無難です。)

次亜塩素酸ナトリウム液の作り方

 では、安全を確保したところで「次亜塩素酸ナトリウム液」の作り方を解説していきます。

使用する漂白剤について

 使用する漂白剤は市販のもので構いませんが、「原液濃度5パーセントの塩素系漂白剤」を使用してください。

 使用する漂白剤の濃度が変わると、このあと解説する希釈割合にあわせて水の量を調整する必要があります。計算できる方は構いませんが、アクシデントにつながる可能性もあるためおすすめはしません。)

【目的別】次亜塩素酸ナトリウム液の作り方

【重要!】適切な希釈方法

 必ず「水」を先に入れてから漂白剤を少しずつ加えるようにします。漂白剤を先に入れないように注意してください。

水を先に入れる理由

 次亜塩素酸ナトリウムは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と塩素を反応させて生成されます。この反応は発熱反応であり、大量の熱が放出されます。漂白剤を先に入れる事で急激な温度上昇や沸騰が起こり、危険な状況を招く可能性があります。

 水を先に入れることでこの熱を吸収し、反応の温度を制御しやすくなります。

「ノロウィルス・ロタウィルス」に対する消毒(約0.02%)

 1リットルの水で、塩素系漂白剤「5ml」(ペットボトルのキャップで2杯分)を希釈します。

新型コロナウィルス」に対する消毒(約0.05%)

 1リットルの水で、塩素系漂白剤「10ml」(ペットボトルのキャップで2杯分)を希釈します。

「ノロウィルス等の嘔吐物」の消毒(約0.1%)

 1リットルの水で、塩素系漂白剤「20ml」(ペットボトルのキャップで4杯分)を希釈します。

さいごに

 ご家庭でも手軽に感染対策のできる次亜塩素酸ナトリウム液ですが、作成・使用にあたっては安全確保と正しい方法で行ってください。

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