
この度は傷病により入院なされたこと、心よりお見舞い申し上げます。
回復期(リハビリ)病棟での入院生活は、失った身体機能の回復を目標にリハビリを行い、退院後の生活に備えて患者さんとご家族が一歩一歩前進するための重要なステージです。
そんな重要なステージだからこそ、患者さんやご家族にも「回復期(リハビリ)病棟の入院から退院までの流れ」を知って頂き、患者さん・ご家族・医療従事者が足並みをそろえて退院まで前進していきたいと考えております。
そこで今回は、「回復期(リハビリ)病棟の入院から退院までの流れ」について、わかりやすく解説していきたいと思います。
回復期(リハビリ)病棟の入院から退院までの流れ
回復期(リハビリ)病棟は、その名の通り「リハビリを行うために入院する病棟」であり、医療保険のもとで最も多くのリハビリを行えることが期待できる病棟です。
入院期間は、傷病の種類や患者さんの状態により医師が決定し、入院期間の上限は厚生労働省によって定められています。
「回復期(リハビリ)病棟の入院から退院までの流れ」については以下のようになっています。
それでは「回復期(リハビリ)病棟の入院から退院までの流れ」を確認したところで、次項からそれぞれのタイミングで押さえておきたいポイントを解説していきたいと思います。
回復期(リハビリ)病棟でのリハビリについて

回復期(リハビリ)病棟は最も多くのリハビリを行う事が期待できる病棟です。
リハビリを行う時間は、病院や傷病ごと、処方されるリハビリの種類(PT:理学療法、OT:作業療法、ST:言語療法)によって違いはありますが、1日におよそ2時間~3時間の実施が多くなっています。
私たち回復期(リハビリ)病棟のスタッフは、
「患者さんが住み慣れた自宅で生活するためにはどうするか?」
を考えて毎日リハビリを行っております。
(必ず自宅に退院させるという意味ではありません。退院先は、患者さん・ご家族が決定するものです。)
そんな重要なステージでリハビリを行う上で、患者さんやご家族に知ってほしいポイントについて解説していきます。
本人・ご家族の回復の希望は?
まず、大切なこととしてリハビリを行って
- どのようになりたいか
- どのようになってほしいか
をお聞かせください。
誰しも「傷病前の状態まで回復してほしい」と思うのは当たり前の事と思いますが、障害が残る患者さんも少なくありません。
例えば、
- 今は歩けないけど、見守り程度で歩ければ、家で生活できそう。
- 杖をついてでも、歩けるようになってほしい。
- 今は寝たきりだけど、一人でトイレの用をたすことができれば、家で生活できそう。
- トイレが一人でできるようになってほしい。
- 私生活の介助をする余裕がないので、入院前の状態まで戻らないと家での生活は厳しい。
- 自分の事はすべて自分でできるようになってほしい。
- もともと仲が悪いため、今後の同居は考えていない。
- 施設への入所を検討したい。
など、その人その人で家庭環境も家族間の関係性もいろいろあるかと思います。
プライバシーもありますので、すべてをお話することを強要はしませんが、可能な限り具体的な希望を聞かせて頂くことで、リハビリの内容や解決策の提案もしやすくなります。
退院先はどのように考えていますか?
続いて、退院先についてです。
まず、回復期(リハビリ)病棟に入院した時点で検討している退院先をお聞かせください。
「本人・ご家族の希望」と「検討している退院先」にあわせて、必要な動作ができるようにリハビリを行っていきます。
退院先については、患者さんの回復状況によって変更しても問題ありませんが、その際は病院スタッフへ伝えて頂けると幸いです。
最終的な退院先は、リハビリ見学を実施した後に決定していただくようになります。
ご家族にご協力して頂きたいこと
さいごに、リハビリを行うにあたりご家族にご協力していただきたいことがあります。
それは退院先となる「自宅の住環境情報の提供」になります。
提供して頂きたい住環境情報については以下のようなものがあります。
自宅の住環境情報を提供していただくことで、自宅での生活を想定したリハビリを行うことができます。
これにより、退院する際に必要な「環境調整」や「物品の準備」をより具体的に提案することができます。
カンファレンス(入院から退院まで月1回実施)

月に1回は各担当者(医師、看護師、リハビリ、栄養士、相談員 など)が集まり、患者さんの現状報告と今後の方針についてカンファレンス(話し合い)を行います。
カンファレンスは、
- 身体機能(傷病の状態)の変化
- 動作能力(どれくらい動けるようになったか)
- 日常生活の様子
- 栄養状態
- 入院期間と目標達成状況の確認
など、入院時(または先月)に確認した入院期間とリハビリの進行状況について話し合います。
カンファレンスの内容は「リハビリテーション総合実施計画書」にまとめ、本人・ご家族へ説明・交付をします。
家族へのリハビリ見学、退院先の決定

リハビリにより回復、もしくは退院予定先での生活の見通しが立ってきたら、ご家族へ「リハビリ見学」を行います。
「リハビリ見学」では、担当者から現状や退院先での生活に関する情報伝達と、実際に患者さんの動作を見ていただき、退院先の最終確認を行います。
リハビリ開始時に想定していた状態までの回復が難しくても、介護保険サービスや福祉用具などの利用により解決できることも多くあります。
医療従事者は退院先を決めるための情報提供はできますが、退院先を決定する事はできません。(傷病状態の悪化や、別な傷病の発症に伴う転院は除く。)
退院調整・退院準備

リハビリ見学の後、退院先が決定したら、いよいよ退院の調整・準備に入ります。
自宅に退院される方は、必要に応じて手すりの設置や歩行補助具の準備、退院後に利用するデイサービスなどの介護保険サービスの調整を進めていきます。
施設に退院される方は、退院先へ申し込みを行います。
施設については、「いつでも」「どこでも」「誰でも」入所できるというわけではないため、リハビリの有無なども考慮し、MSW(医療相談員)を中心にご家族と相談して決定していきます。
まとめ
以上、「回復期(リハビリ)病棟の入院から退院までの流れ」について解説してきましたが、イメージはできましたでしょうか?
私たち回復期(リハビリ)病棟スタッフ一同、患者さん・ご家族の一助となれるようサポートしていきたいと思います。
お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。
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