今回は長期にわたる入院生活ならびにリハビリのほう、大変お疲れ様でした。ご自宅での生活において確認・注意して頂きたい事項についてまとめましたので、ご一読頂ければと思います。
また、いつでも確認できるよう「お気に入り」等への登録をおすすめ致します。
今回解説する脱臼肢位は、手術の方法が「後方アプローチ」のものです。動作方法については基本的な実施方法であり、患者さんの身体状況により最善の実施方法が異なる場合があります。不明・不安な点がある方は担当のリハビリスタッフへ確認してください。
前方アプローチに関する情報はこちら
脱臼のリスク管理について
今回の手術「人工骨頭置換術(術式:後方アプローチ)」を実施した方は、生活する上で脱臼肢位と呼ばれる股関節の角度に注意する必要があります。
脱臼リスクを伴う日常生活動作の具体例について
脱臼肢位を理解していても、日常生活の中で無意識のうちに脱臼肢位をとってしまう方がいらっしゃいます。元気になるにつれて日常生活活動も活発になり、ついつい脱臼肢位をとる機会も増える傾向があるため、慣れた頃にこそ注意が必要です。
手術した足の状態によっては、靴べら(:靴を脱ぐ/履く)やリーチャー(:床に落ちた物を拾う)、ソックスエイド(:靴下を履く)といった道具を使用すると、脱臼リスクを回避しつつ動作をスムーズに行うことができます。
各動作方法について
またぎ動作
さらに、3番目に出す”元気な方の足を障害物の近くによせる”とふらつきにくくなります。逆に、3番目に出す”元気な方の足が障害物から遠い”とふらつきやすくなります。
階段(段差)の昇り降り
階段や連続した段差を昇り降りする際は、無理せずに2足1段(1段ずつ足を揃える方法)で行うことをおすすめします。
(身体機能の高い方が1足1段(一般的な昇り降り)で実施する場合は、動作手順は不同です。)
床に座る/床から立つ
人工骨頭置換術を実施した方は、脱臼のリスクや人工股関節への負担を考え、布団よりもベッドの利用をおすすめします。
今回の動作方法は、あくまで行わざるを得ない場合のための情報であり、床に座る/床から立つ動作を日常生活で推奨するものではありません。
床に座る時も床から立つ時も、脱臼肢位に注意しながらいったん”四つ這い”になるのがポイントです。
転びにくい生活・環境づくりについて
これからも元気に楽しく過ごしていくためには、脱臼肢位の管理に加えて”転びにくい環境”で生活することが重要になります。今回骨折してしまった場所をはじめ、以下を参考に生活・環境の見直しをおすすめします。
なにか不明・不安な点がありましたら、担当のリハビリスタッフへお声がけください。
それでは、お大事にしてください。
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