【複数の条件にあわせて結果を表示】IF関数の応用的な使い方

Excelの部屋

おつかれさまー。どうしたの?

IF関数で「複数の条件」を指定したいんだけど、どうしたらいいんですかねぇ??

「複数の条件」ていうと2通り思いつくけど、

  1. 「〇の時に”▢”、×の時に”☆”、△の時に”◇”」
  2. 「〇と×と△の時に”▢”」

どっちよ??

あ!僕が知りたかったのは1の方ですけど、今後のためにどちらも知りたいです!

OK!じゃぁ、IF関数の応用について詳しく解説しましょう!

この記事でわかること
  1. IF関数で複数の条件「〇の時に”▢”、×の時に”☆”、△の時に”◇”」を指定する方法(IF関数×条件の数
  2. IF関数で複数の条件「〇かつ×時に”▢”」を指定する方法(IF関数とAND関数
  3. IF関数で条件を制限「〇もしくは×の時に”▢”」を指定する方法(IF関数とOR関数
  4. IF関数で条件を制限「〇を含まない時に”▢”」を指定する方法(IF関数とNOT関数

複数の条件「〇の時に”▢”、×の時に”☆”、△の時に”◇”」を指定する方法

形式「IF関数×条件の数(条件数:3つの場合)」

=IF(論理式,値が真の場合,IF(論理式,値が真の場合,IF(論理式,値が真の場合,値が偽の場合)))

今回は下表を使用して、「疾患名」から「算定区分」を表示する設定を例に解説していきます。

疾患名と算定区分の表
疾患名と算定区分の表

C3セルへ「=IF(B2=”大腿骨頚部骨折”,”運動器”,IF(B2=”脳梗塞”,”脳血管”,IF(B2=”廃用症候群”,”廃用”,””)))」と入力し、C3セルをC6セルまでオートフィルします。

「=IF(B2="大腿骨頚部骨折","運動器",IF(B2="脳梗塞","脳血管",IF(B2="廃用症候群","廃用","")))」
「=IF(B2=”大腿骨頚部骨折”,”運動器”,IF(B2=”脳梗塞”,”脳血管”,IF(B2=”廃用症候群”,”廃用”,””)))」
(画像をクリックすると拡大できます)

これで、疾患名にあわせて該当する算定区分が表示されるようになります。

疾患名から算定区分を表示
疾患名から算定区分を表示

数式の解説

関数式「=IF(B2=”大腿骨頚部骨折”,“運動器”,IF(B2=”脳梗塞”,“脳血管”,IF(B2=”廃用症候群”,“廃用”,“”)))」は、B2セルが

  • 大腿骨頚部骨折の時”運動器”
  • 脳梗塞の時”脳血管”
  • 廃用症候群の時”廃用”
  • それ以外の時に”空白”

を表示するという意味になります。

関数式の解説
関数式の解説(画像をクリックすると拡大できます)

さらにIF関数をつなげて条件を増やすこともできますが、IF関数を使用した数だけ最後の「)」を付け加える必要があるため、「)」の数には注意しましょう。

複数の条件「〇かつ×の時に”▢”」を指定する方法

形式「IF関数とAND関数」

=IF(AND(論理式1,論理式2),値が真の場合,値が偽の場合))

今回は下表を使用して、「性別」「年齢」から「後期高齢者」に「〇」を表示する設定を例に解説します。

性別・年齢の表
性別・年齢の表

D2セルへ「=IF(AND(B2=”女”,C2>=75),”〇”,””)」と入力し、D2セルをD6セルまでオートフィルします。

「=IF(AND(B2="女",C2>=75),"〇","")」
「=IF(AND(B2=”女”,C2>=75),”〇”,””)」
(画像をクリックすると拡大できます)

これで、後期高齢者に該当するセルに「〇」、該当しないセルは「空白」が表示されるようになります。

後期高齢者の女性に「〇」を表示
後期高齢者の女性に「〇」を表示

数式の解説

関数式「=IF(AND(B2=”女”,C2>=75),“〇”,“”)」は、

  • B2セルが「女」かつ「75歳以上」の時”〇”、そうでないときは”空白”

を表示するという意味になります。

IF関数の形式「=IF(論理式,値が真の場合,値が偽の場合)」の論理式に「AND(論理式1,論理式2)」を代入して使用します。

また、AND関数の論理式(条件)は必要に応じて追加することができます。

条件を制限「〇もしくは×の時に”▢”」を指定する方法

形式「IF関数とOR関数」

=IF(OR(論理式1,論理式2),値が真の場合,値が偽の場合))

今回は下表を使用して、「算定区分」から「施設基準(「運動器」「脳血管」は1、「廃用」は2と仮定)」を表示する設定を例に解説します。

施設基準の表
施設基準の表

D2セルへ「=IF(OR(C2=”運動器”,C2=”脳血管”),1,IF(C2=”廃用”,2,””))」と入力し、D2セルをD6セルまでオートフィルします。

「=IF(OR(C2="運動器",C2="脳血管"),1,IF(C2="廃用",2,""))」
「=IF(OR(C2=”運動器”,C2=”脳血管”),1,IF(C2=”廃用”,2,””))」
(画像をクリックすると拡大できます)

これで、算定区分から該当する施設基準が表示されるようになります。

算定区分から施設基準を表示
算定区分から施設基準を表示

数式の解説

関数式は、「=IF(OR(C2=”運動器”,C2=”脳血管”),1,IF(C2=”廃用”,2,“”))」は

  • C2セルが「運動器」もしくは「脳血管」の時1、C2セルが「廃用」の時2、そうでないときは”空白”

を表示するという意味になります。

数式の形式は「AND関数」と同様に、IF関数の形式「=IF(論理式,値が真の場合,値が偽の場合)」の論理式に「OR(論理式1,論理式2)」を代入して使用します。

また、OR関数の論理式(条件)も追加することができます。

条件を制限「〇を含まない時に”▢”」を指定する方法

形式「IF関数とNOT関数」

=IF(NOT(論理式),値が真の場合,値が偽の場合))

今回は下表を使用して、算定区分に「廃用」が含まれない「単位数:3」を表示する設定を例に解説します。

単位数の表
単位数の表

D2セルへ「=IF(NOT(C2=”廃用”),3,””)」と入力し、D2セルをD6セルまでオートフィルします。

「=IF(NOT(C2="廃用"),3,"")」
「=IF(NOT(C2=”廃用”),3,””)」
(画像をクリックすると拡大できます)

これで、算定区分に「廃用」が含まれない「単位数」が3と表示されるようになります。

「廃用」を含まない単位数を表示
「廃用」を含まない単位数を表示
数式の解説

関数式は、「=IF(NOT(C2=”廃用”),3,””)」は

  • C2セルが「廃用」を含まない時3、そうでないときは”空白”

を表示するという意味になります。

数式の形式は「AND関数」「OR関数」と同様に、IF関数の形式「=IF(論理式,値が真の場合,値が偽の場合)」の論理式に「NOT(論理式)」を代入して使用します。

「NOT関数」に「AND関数」を組み合わせる事で、含まない条件を追加することもできます。

まとめ

今回は「IF関数の応用的な使い方」について、医療現場で活かせるイメージができるような例を挙げて解説しました。「IF関数」+「AND関数」「OR関数」「NOT関数」は同じ形式で使用できるため、ひとつ覚えれば必要な条件にあわせて使いこなせるようになります。

多忙な医療現場のすぐ近くにあるエクセル。”時間を作る術”として十分な力が発揮されていない事が非常に残念に思います。これを機に、あなたの職場でもエクセルの秘めたる力を活用してみてはいかがでしょうか。

この記事が、あなたのエクセルスキル向上に貢献できれば幸いです。

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