入院が決まると、多くの人がまず悩むのが「何を持っていけばいいのか」ということです。
病院によって設備やルールが違ううえ、実際に入院してみないと分からない不便さも多く、準備の段階で不安を感じる方は少なくありません。
私は医療従事者として日々患者さんと接し、さらに自分自身も入院をたくさん経験してきました。
その中で痛感したのは“持ち物の質が入院生活の快適さを大きく左右する”ということです。逆に、ちょっとしたアイテムがあるだけで、ストレスが大幅に減り、回復に集中できる環境が整います。
この記事では、医療者としての目線と、患者としてのリアルな体験の両方から「本当に役立つ入院アイテム11選」を厳選して紹介します。
初めての入院でも、長期入院でも、これだけ押さえておけば安心できる内容になっています。
入院時に準備したい持ち物

今回紹介するアイテムは、私の働く病院では持ち込み禁止となっていませんが、病院によっては持ち込みを禁止している場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
「レンタルWi-Fi」でギガ難民を回避
入院中は医療行為以外の“空き時間”が意外と長く、その多くをスマホで過ごす人がほとんどです。
しかし、病院によっては無料Wi-Fiがなかったり、相部屋では利用できなかったりすることも珍しくありません。
実際に、私が入院した病院や勤務先の病院でも、相部屋にはWi-Fi環境がありませんでした。そのため、スマホで動画を見たりSNSを使ったりしていると、あっという間に通信量を使い切ってしまいます。

ギガ難民になると本当に地獄…。動画は止まるし、LINEも遅いし、ストレスで余計に疲れちゃうんですよね。
私もdocomoを利用していますが、プラン変更は翌月からしか適用されないため、ギガを使い切った月は追加料金を払うしかありませんでした。
入院中はスマホの利用時間が増えるため、通信量が跳ね上がりやすいのは間違いありません。
そこで役立つのが「レンタルWi-Fi」です。レンタル日数・容量・価格が選べるため、入院期間に合わせて無駄なく利用できます。

私が入院した時は「SoftBank SELECTION」を利用しました。
自分にあったレンタル期間・容量プランを選ぶことができ、返却はポストに投函するだけで簡単でした。
「スマホスタンド」でスマホの使用を楽に
入院中は病気やケガ、点滴などの影響で体勢が制限され、スマホを長時間手で持つのがつらくなることがあります。
特にリハビリが必要な入院では、片手が使えない・腕が疲れやすいなど、スマホ操作に不便を感じる場面が多くなります。
そんな時に役立つのが「スマホスタンド」です。片手でも操作しやすく、ベッドに寝たままでも無理なく動画視聴やテレビ電話ができます。
両手を使わずに済むため、腕や首への負担も大幅に軽減されます。

スマホスタンドは置き型より、ベッド柵に挟んで固定できるタイプが断然便利です。角度調整が自由で、寝たままでも画面が見やすいですよ。
ベッド柵が細い場合は、滑り止めマットを挟むとガッチリ固定できます。」
「モバイルバッテリー」でスマホの利用を快適に
ベッド周囲で使用できるコンセントの数は限られるため、他の電子機器を使用しているとスマホの充電ができないこともあります。
また、検査など移動先で待ち時間が発生することもあり、スマホの電源確保のお守りとして持ち運べるコンパクトな「モバイルバッテリー」があると快適です。

私はコンパクトで持ち運びも便利な“Anker Nano Power Bank”を愛用しています。
「延長コード」でベッド周りの電源問題を解決
モバイルバッテリーでもお話ししたように、ベッド周囲でのコンセントは限られています。
また、ベッドや床頭台(テレビがついている引き出し)の配置は、身体の状況にあわせて安全性を第一に考えて設置することが多いため、場合によってはコンセントからの距離が遠くなることもあります。
そこで準備しておきたいアイテムが「延長コード」です。

病棟で働いていると、”電子機器やスマホの充電ケーブルが届かない”という状況に陥る患者さんをたくさん見てきました。
延長コードは「長さ:2m~3m」「AC(一般的なプラグ)・USBが両立」のものがおすすめです。
「イヤホン」で大部屋でも気兼ねなく過ごせる
大部屋での入院は、他の患者さんの迷惑にならないよう、テレビはもちろんスマホでの動画視聴もイヤホンの使用が求められます。
そのため、入院生活では イヤホンが必須アイテム になります。
最近はBluetoothによるワイヤレスイヤホンが主流ですが、入院時の使用はオススメできません。
- 病院のテレビでは使用できないことが多い
- 充電が必要
- 比較的高価なものが多い
- 盗難・紛失の危険性
- 病衣にはポケットがないものが多いため、外した際の保管に困ることがあります。
そのため、入院する時は「有線イヤホン」の準備をおすすめします。
有線イヤホンなら、病院のテレビで使用できるのはもちろん、安価で充電もいらず、使用しない時は首にかけることもできるため、ポケットのない病衣との相性もバツグンです。

有線イヤホンは病院の売店でも販売していることが多いですが、「価格が割高」「選択肢が少ない」「品質、性能は最低限度のもの」が多いため、長時間使用しても耳に負担がかかりにくいものを準備しましょう。
「ベッドサイド収納」で必要なものを手もとにまとめて管理
入院中は、点滴や安静度の制限によって、頻繁に立ち上がったり移動したりすることが難しい場面が多くあります。
そのため、スマホ・飲み物・ティッシュ・イヤホン・リモコンなど、よく使うものを手の届く範囲にまとめておける環境がとても重要になります。
そこで役立つのが 「ベッドサイド収納」 です。
ベッドの柵に吊り下げるだけで、必要なものを一か所にまとめられ、探す手間や立ち上がる負担が大幅に減ります。
また、医療従事者の視点から見ても、ベッド周りが整理されている患者さんは、転倒リスクが下がり、処置や清拭の際にも安全に動けるため、とても助かります。

ポケットが複数あって、スマホ・飲み物・ティッシュ・リモコンを分けて入れられるタイプが便利です。
ベッドの環境調整に応じて、取りつけ位置が簡単に移動できる”吊り下げタイプ”がおすすめです。
「加湿器」で乾燥しやすい病室の環境を快適に
病室は、空調管理の関係で一年を通して乾燥しやすい環境になっています。
そのため、入院中は喉がカラカラになったり、鼻の粘膜が乾いて痛くなったり、咳が出やすくなることも珍しくありません。
特に冬場は、乾燥による不快感が強くなりがちです。
そこで役立つのが「小型加湿器」です。
ベッドサイドに置けるコンパクトなタイプなら、場所を取らずに使えて、移動や清掃の邪魔にもなりません。
また、医療従事者の視点から見ても、乾燥による咳が減ることで、夜間の睡眠の質が上がり、回復に集中しやすくなるという利点があります。

加湿器は“USB給電タイプ”で”静音”のものがオススメです。
病院のコンセントは数が限られているので、延長コードやモバイルバッテリーと組み合わせて使えるUSB式が便利ですよ。
「アイマスク」で夜間の光ストレスを軽減
入院中は、夜間でも完全に暗くならない環境で過ごすことが多くあります。
ナースステーションの明かり、廊下の常夜灯、同室者の読書灯など、病室は意外と“まぶしい” のが実情です。
特に大部屋では、自分で照明環境をコントロールできないため、眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなることもあります。

日中でも電気の光がカーテン越しに差し込み、”まぶしい”と訴える患者さんが多くいらっしゃいます。
そんな時に役立つのが「アイマスク」です。
光をしっかり遮ってくれるだけで、寝つきが良く、朝までぐっすり眠りやすくなり、入院中の睡眠の質を大きく向上してくれます。
医療従事者の視点から見ても、睡眠の質が上がると回復が早まり、日中のリハビリも集中しやすくなるため、アイマスクは非常に相性の良いアイテムです。

私は、香りの種類が豊富でリラックス効果も得られる”めぐリズム 蒸気めぐるアイマスク”を愛用しています。
使い捨てタイプなので、衛生面も安心です。
「耳栓」で大部屋の騒音ストレスを軽減
入院中は、昼夜を問わずさまざまな音が聞こえてきます。
ナースコールのアラーム、処置の物音、同室者のいびきや咳、深夜の巡回など、病室は意外と“静かではない”環境です。
特に大部屋では、自分で音環境をコントロールできないため、眠りが浅くなったり、ストレスが溜まりやすくなります。

実は、入院生活での「音」に関する苦情は、けっこう多いんです。
・電話や同室者との会話
・物の出し入れ、ビニール袋の音
・いびき など
「眠れない」「部屋を変えてほしい」「注意してほしい」といった患者さんの訴えをよく耳にします。
そんな時に役立つのが「耳栓」です。
耳栓があるだけで、いびきや物音が気になりにくく、夜間の睡眠の質が上がり、入院生活のストレスを大幅に軽減してくれます。

私は、長時間つけても痛くなりにくく、遮音性が高い”サイレンシア”を愛用しています。
コスパの良いバリューパックもあるのでおすすめです。
「使い捨てマスク」で感染・乾燥対策
入院中は、感染対策のためマスクの着用を促されることが多くあります。
また、病院内は空気が乾燥していることが多く、乾燥対策としても効果が期待できます。
マスクは1日1枚の使用が推奨されているため、入院中はストックを準備しておくと安心です。
そこで特におすすめなのが、「サラヤのサージカルマスク」です。
医療現場でも広く使われているメーカーで、しっかりしたフィルター性能を持ち、長時間つけても耳が痛くなりにくいのが特徴です。

私の働く病院でも「サラヤのサージカルマスク(LEVEL2)」が採用されており、毎日使用しています。
とても使い心地がよくコスパも良いので、日常でもサラヤのサージカルマスクを使っています。
「爪ヤスリ」で爪のトラブルを予防
入院中は、自分で爪を切ることができない、または爪切りが禁止されていることがあります。
また、乾燥した病室では爪が欠けやすく、ちょっとした引っかかりから皮膚を傷つけてしまうこともあります。
特にリハビリが必要な入院では、片手が使いにくい場面も多く、爪切りよりも片手で扱える「爪ヤスリ」のほうが安全で便利です。
医療従事者の視点から見ても、爪が整っていると処置やリハビリの際に引っかかりが減り、安全性が高まるため、爪ヤスリは持っておくと安心なアイテムです。

爪切りが禁止の病棟でも、爪ヤスリならOKな場合が多いです。
片手でも使用できる置き型の爪ヤスリ「らくトギー」がおすすめです。
制限の多い入院生活ですが、”爪を自由にきれいに手入れできる”ことが心身のリハビリにつながります。
まとめ:入院生活を快適にするための準備が回復を早める
入院生活は、医療行為以外の“空き時間”が意外と長く、普段とは違う環境で過ごすことで小さなストレスが積み重なりやすくなります。
しかし、今回紹介したアイテムが手元にあるだけで、
- スマホの通信量を気にせず過ごせる
- ベッド上での姿勢がラクになる
- 騒音や光のストレスを減らせる
- 乾燥や衛生面の不快感を軽減できる
- ちょっとした不便を自分で解消できる
といった“快適さの底上げ”ができ、入院生活の質が大きく変わります。
医療従事者としての経験からも、環境が整っている患者さんほど回復に集中しやすく、日々の生活がスムーズに進むと感じています。
この記事で紹介したアイテムは、どれも「持ってきてよかった」と感じるものばかりです。
入院が決まったら、ぜひ早めにチェックして、自分に合ったものを揃えてみてください。


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